拝啓、






帰宅して、家の郵便受けを覗いた。
普段はしない行動だったが、何かの予感がそうさせたのだろう。
そして手塚は、見つけるのである。

どこか懐かしい、見覚えのある整った文字の一通の手紙を。




その日の夜の手塚家の夕食は、普段よりも少しだけ豪勢だった。
やけに浮かれている祖父と父。そして母の「おめでとう」の言葉。学校では話した事もないような相手からも送られる誕生日プレゼント攻勢に多少辟易していた手塚も、この時ばかりは素直に嬉しいと思えた。

酔いの回った祖父と父にようやく開放されたのが日付の変わる直前。
入浴を済ませ部屋に戻ってきて、机の上に置きっぱなしになっていた手紙を思い出した。

薄い緑色のシンプルな封筒と便箋。
宛名はなかったがそれが誰から送られたものかはすぐに分かった。

(誰か当ててみろ、ということか)

読みながらこれを自分のために書いている姿、名前を書くか否か迷う様、郵便受けに入れて笑っている顔を思って手塚は小さく微笑んだ。窓を見上げると向かいは明かりがついていた。人の気配も感じる。

(返事を待っている、と思ってもいいだろうか)

自惚れではない、という小さな確信を抱いて手塚は窓を開けて、向かいの幼なじみに声をかけた。

、ちょっといいか?」

この差出人不明の手紙について問いただすため。
そしてこの手紙の返答をするために。





[into the bluesky] 雨宮佑衣さまより


えんぴつの手塚誕生日祝い絵のイメージで雨宮さんが書いてくださいました。

"自惚れではない……"というくだりに
すごーくヅカ氏らしい雰囲気を感じませんか。
そして微笑んでいるのですよ手塚が……!!
手塚はミエノの中ですごく鉄壁なイメージがあるので、
相好を崩してる彼を想像すると嬉しくて
「あの手塚が〜〜!」
…とついついニヤけてしまいます(笑)。

自分の絵でイメージを膨らませていただけたのも嬉しかったです。
雨宮さん、有難うございました。



[ 2004.12.22]