体育祭パニック






『…何だその格好は』


不機嫌そうに眉をひそめた顔を見て一瞬言葉を飲み込んだ。
突然現れた跡部にクラスの中が俄かに騒がしくなる。
学年指定の黒いジャージを来ているせいか雰囲気が何時もと違って見える。


「何か用事?あ…宍戸なら先に男子が着替えたから…」
『質問の答えになってねえ…』
「え?」
『その衣装は何だって聞いてんだろ?』


プリーツのスコートに短めのタンクトップ。
何かおかしい箇所があるのかと足元を確認しながら答えた。


「応援団の衣装…だけど?」
『ふざけんな』
「別にふざけてな…」


ス論する間もなく跡部が肩にかけていたジャージを着せられファスナーを締められた。
腕が出せなくて着ぐるみみたいになる。


「跡部!?」
『いいから来い時間が無えんだよ』
「時間って…私もこれから」
『お前1人居なくても支障ないだろ』


ようやく長い袖に腕を通すと手首を捕まれて教室の外へ連れ出される。
普段の跡部からは想像出来ない急いている様子に抵抗するのを忘れ、
歩幅の違いに半ば引きずられる様に着いたのは部室だった。










「何で部室…?」
『…』
ドアノブに跡部が手をかけると中から笑い声が聞こえて来た。
「マジで跡部の奴迎えに行ったのかよ!?」
がチアガールの格好してるの?」


向日とジローの声が聞こえる。
「あの格好はヤベえよ」
「何でやねん宍戸」
「だってよ…」


急に声のトーンが落ちたかと思うと次の瞬間、全員の笑い声が弾けた。


「うっわ〜そらアカンわ」
「何で駄目なの?が可愛いならいいんじゃないの?」
「解ってへんな〜ジローは…へそ出しまでしてるを跡部が他の奴に見せる訳無いやん」
「何で?」
「独占欲に決まってるやろ」
「…ええっ!?もしかして跡部っての事好きなの!?」










「…え?」


耳を疑う会話に思わず声を出すと捕まれた手首に更に力が込められる。


「跡…部…?」
『…』
「みんな…冗談言うの好きだ…よ…ね?」


言い終わる前に跡部が勢い良く部室のドアを開き、水を打った様な静けさがその場を包んだ。


「げ…!?」
「うっわ…」
『…忍足』
「何や…?」
『リレーのトップはお前が走れ』
「何やて!?」
『宍戸』
「お…おう」
『向日』
「何だよ」
『途中でコケやがったら明日から一週間基礎練しか許可しねえ』
「マジかよ!?」
「横暴だ!!」
『ジロー』
「ん〜?」
を連れて待機場所で待ってろ』
「え〜眠い〜」




『お前等…俺にトップでバトンを渡さなかったら覚悟しろよ?』










結果、独走状態で部活対抗リレーの1位をテニス部が獲得した。
女子生徒の悲鳴の中で私を抱き上げながら走る跡部はゴールのテープを切る前に耳元で囁いた。










『好きだ』






[DRAGON BLUE] 外村聖さまより


跡部誕生日祝いのDLフリー夢を戴いてまいりました。
秋頃にチャットで盛り上がった体育祭ネタなのですが
外村さんの仕事の早さに驚いた記憶があります。
そして大いに興奮!

独占欲炸裂のぼんがたまりません…!
手ずからジャージ着せてくれたり、「ふざけんな」とか言われたり…。
拝読した時は照れて、興奮しすぎてPCの前でうずくまりました(恥)。
幸せです!満悦です…!!

外村さん、すてきな夢を有難うございました。



[2004.12.22]